自分と気になる相手の金星・火星を調べたものの、誰のどの天体を比べればよいか迷っていませんか。二人の相性を読むなら、Aさんの火星×Bさんの金星と、Aさんの金星×Bさんの火星の二組を分けて見ます。
必要なのは、二人それぞれの金星と火星、計四つのサインと度数です。そこから二組の実際の角度を求め、許容するずれの幅であるオーブを確認して、角度別の解釈へ進みます。この記事では架空の計算例を使い、その順序を説明します。扱うのは占星術の象徴的な読み方で、配置から相手の好意や同意を決めるものではありません。
火星星座と金星星座で比べる二つの組
比べるのは、Aさんの火星×Bさんの金星と、Aさんの金星×Bさんの火星です。A・Bは天体の持ち主を区別するための呼び名で、性別によって金星役と火星役を分けるわけではありません。天庵の金星・火星の解説でも、この二組を区別しています。
Cafe Astrologyのシナストリー解説では、金星は喜びや恋愛、結びつきの象徴、火星は欲求や自己主張の象徴として扱われます。この読み方に沿って、金星側の好みや心地よさと、火星側の欲求や働きかけがどう関わるかを見ていきます。
Aさんの火星×Bさんの金星では、火星側がAさん、金星側がBさん。Aさんの金星×Bさんの火星では、その役割が入れ替わります。
一人分の出生図内で、Aさんの金星×Aさんの火星を見るのとは対象が違います。Aさんの火星×Bさんの火星、Aさんの金星×Bさんの金星という、同じ天体同士の比較とも分けてください。
また、「Aさんの火星×Bさんの金星」を「Bさんの金星×Aさんの火星」と逆順に書いても、使う位置は同じなので角度は変わりません。一方、「Aさんの金星×Bさんの火星」は別の二つの位置を使います。この二組が同じ結果になるとは限りません。

二人分のサインと度数の確認項目
出生図の天体一覧などから、二人それぞれの金星と火星の位置を書き出しましょう。「星座」は、ここでは牡羊座、牡牛座などのサインを指します。サイン名に加え、そのサインの中で何度にあるかを控えます。
次の表を記録用に使ってください。度数に「分」の表示があれば省略せず、取得条件の欄には使ったサービスや資料、出生時刻が不明かどうかを残します。
| 天体 | サインと度数 | 取得条件 |
|---|---|---|
| Aさんの金星 | 未記入 | 未記入 |
| Aさんの火星 | 未記入 | 未記入 |
| Bさんの金星 | 未記入 | 未記入 |
| Bさんの火星 | 未記入 | 未記入 |
出生図を作る場合は、利用するサービスの案内に沿って、本人が把握している出生情報を使います。一人用の画面に金星と火星が表示されても、そろうのはその人の二つの位置です。相手の情報は本人が共有できる範囲にとどめ、分からない出生時刻を推測で埋めないでください。
サイン名だけが分かる段階では、そのサインの象徴を比べるところまでです。後で扱うアスペクトは、二天体の実際の角度と、どこまでのずれを認めるかという条件で判定します。同じサイン、同じ元素という情報だけでは、成立を確定できません。
出生時刻が不明な場合の仮値
画面に度数が表示されていても、仮の時刻を使った結果なら、その条件を一緒に控えましょう。
例えば、鴉番組の金星・火星星座占いの説明では、出生時刻を入れない場合は正午を仮定し、その日にサインの境目をまたぐと時刻入力を勧める注記が出ると案内しています。これは同サービスの仕様で、ほかのサービスも同じ扱いとは限りません。
仮の正午による位置と、分かっている出生時刻から求めた位置は分けて記録します。サインの境界や、後で説明するオーブの境界付近で、時刻が分からず判定できなければ「未確定」のままにしておきます。
二つの実角度とオーブの判定
アスペクトとは、天体同士が作る角度の関係です。二組それぞれの実角度を求め、基準となる角度にどれだけ近いかを比べます。
この記事で扱うのは、次の五つです。名称と角度の対応は、天庵の解説によります。
| 基準角度 | アスペクトの名称 |
|---|---|
| 0度 | コンジャンクション |
| 60度 | セクスタイル |
| 90度 | スクエア |
| 120度 | トライン |
| 180度 | オポジション |
オーブは、基準角度からどこまでのずれを認めるかという許容幅です。実角度が基準とぴったり一致しなくても、採用した幅の内側なら、そのアスペクトとして扱います。
同解説は、オーブが流派によって異なることも示しています。使うツールや資料がどの幅を採用しているかを確かめ、実角度、基準からのずれ、採用する許容幅を別々に記録してください。
四つの位置から二つの角度への換算
サイン内の度数をそのまま引き算しても、別のサインにある位置を比べられません。まず各位置を、牡羊座0度を起点とする円上の度数に直します。
CHANIの出生図の解説では、円全体の360度を12等分し、各サインが30度を占めると説明しています。次の表は、天庵の計算手順が使う牡羊座0度を起点に、サインの順に30度ずつ加え、編集部が算術で求めた始点です。
| サイン | 円上の始点 |
|---|---|
| 牡羊座 | 0度 |
| 牡牛座 | 30度 |
| 双子座 | 60度 |
| 蟹座 | 90度 |
| 獅子座 | 120度 |
| 乙女座 | 150度 |
| 天秤座 | 180度 |
| 蠍座 | 210度 |
| 射手座 | 240度 |
| 山羊座 | 270度 |
| 水瓶座 | 300度 |
| 魚座 | 330度 |
円上の度数は、サインの始点+サイン内の度数+分÷60で求めます。ここでの「分」は角度の単位です。NIST SP330の表8では1分(1′)を1/60度と定義しており、60分が1度になります。分の表示がなければ、サインの始点に表示された度数を足します。
例えば、編集部が説明用に置いた架空の位置「蠍座10度30分」なら、210+10+30÷60=220.5度です。実在する人の出生図を計算した例ではありません。
四つの位置をそろえたら、天庵が示す手順に沿って、二組を別々に計算します。
- 上の表と式で、Aさんの金星・火星とBさんの金星・火星を、同じ円上の度数に直します。
- Aさんの火星とBさんの金星の差を、大きい値から小さい値を引いて求めます。差が180度を超えたら、360度から引いた短い側の角度を使います。
- Aさんの金星とBさんの火星についても、別に同じ計算をします。
- 各実角度と基準角度の差を、大きい値から小さい値を引いて求め、ずれが採用するオーブ以内かを確かめます。
各組について、持ち主と天体、実角度、比べた基準角度、ずれ、採用したオーブをひとまとまりで残しましょう。一人の出生図内のアスペクト表や、もう一組の計算結果では代用できません。
仮のオーブで比べる計算例
ここからは、編集部が作成した架空の位置と、仮のオーブによる説明例です。実在する人の出生情報から作った出生図や、サービスに入力して得た鑑定結果ではありません。
四つの位置を、次のように置きます。
| 天体 | 仮の位置 | 円上の度数 |
|---|---|---|
| Aさんの火星 | 牡羊座4度 | 4度 |
| Aさんの金星 | 牡羊座20度 | 20度 |
| Bさんの金星 | 獅子座6度 | 126度 |
| Bさんの火星 | 獅子座25度 | 145度 |
牡羊座は始点の0度に、獅子座は始点の120度に、各サイン内の度数を足しています。
Aさんの火星×Bさんの金星は、126−4=122度。トラインの基準である120度からのずれは、2度です。
Aさんの金星×Bさんの火星は、145−20=125度。こちらは120度から5度ずれています。
説明のため、トラインのオーブを「120度の前後3度」と仮定してみます。この条件では、ずれが2度の122度は範囲内、ずれが5度の125度は範囲外。片方だけをトラインとして扱う結果になります。
一方、許容幅を前後6度と仮定すれば、二組とも範囲内です。天体の位置も実角度も同じでも、採用する幅によって判定が変わります。
この3度と6度は、条件の違いを示すための値で、標準値や推奨値ではありません。自分たちの配置を読むときは使用元の設定を先に確認し、望む結果に合わせてオーブを広げないようにしましょう。

金星と火星の角度別の読み方
二組の位置とオーブの条件を確認できたら、それぞれに当てはまる角度の説明へ進みます。以下は、Cafe Astrologyの二人間の金星・火星アスペクト解説に基づく、占星術上の読み方です。本人の感情や身体的な希望を測った結果ではありません。
説明中の「金星側」「火星側」は、その組で使っている天体の持ち主を指します。
- Aさんの火星×Bさんの金星なら、金星側はBさん、火星側はAさんです。
- Aさんの金星×Bさんの火星なら、金星側はAさん、火星側はBさんです。
例えば最初の組では、「金星側の受け止め方」はBさんの金星の象徴、「火星側の働きかけ」はAさんの火星の象徴として読みます。二人の役割を固定せず、比較している組に合わせて読んでください。
0度の重なりと強さ
0度のコンジャンクションについて、Cafe Astrologyは強い惹かれ合いを読む一方、関係が長くなると、その情熱の扱いが難しくなる面も説明しています。
金星側と火星側の引力の強さを表す解釈で、「最もよい相性」という順位ではありません。強く惹かれることと、二人が心地よく関係を続けられることは、分けて受け止めましょう。
60度と120度の受け止めやすさ
60度のセクスタイルは、金星側が火星側を好ましく感じ、火星側もその関心を喜ぶ、というのがCafe Astrologyの説明です。ただし、その関わりを意味のあるものにするには、働きかけて育てる面もあるとしています。
120度のトラインでは、互いの性質を好ましく受け止め、やり取りが滑らかに進むという読み方を示しています。セクスタイルの「育てる面」に対して、トラインでは相互作用の穏やかさに説明の重点があります。
前の架空例でオーブを前後3度と置いたとき、トラインの条件内だったのはAさんの火星×Bさんの金星です。その組の解釈は、Aさんの火星とBさんの金星の関わりとして読みます。もう一組にも同じ判定を当てはめたり、二人が実際に同じ気持ちだと決めたりはできません。
90度と180度の緊張や違い
90度のスクエアについて、Cafe Astrologyは接近するタイミングや、直接的な働きかけの受け止め方のずれを説明しています。火星側の直接性を金星側が強すぎると感じる場合がある、という読み方です。
Aさんの火星×Bさんの金星なら、ここでの火星側はAさん、金星側はBさん。ただし、配置だけで「Aさんが強く迫っている」「Bさんが嫌がっている」という実際の行動や気持ちを割り当てることはできません。
180度のオポジションでは、同解説は惹かれ合いとともに、所有欲や嫉妬がある場合の不安も取り上げています。緊張を含むという説明だけで悪相性と決めたり、惹かれるという説明を理由に不快な行動を受け入れたりする必要はありません。
侮辱や監視、断った後も続く接触は、占いでいう刺激や引力では正当化できません。本人の拒否を好意へ読み替えないでください。
片方だけ成立する場合と本人の意思
二組のうち片方だけにアスペクトが成立しても、計算が矛盾しているとは限りません。使っている天体の位置が違うためです。二組で別の角度になった場合も、それぞれの組と条件を分けて残します。
採用したオーブに入らない組は、「今回の条件では、そのアスペクトに該当しない」という記録です。度数が分からない組や、仮の時刻による影響を確認できず判定できない組は「未確定」。どちらも「愛情がない」「片思い」「相性がゼロ」という意味にはなりません。
金星と火星の象徴だけで、関係全体や長続きするかどうかまでは決められません。Cafe Astrologyのシナストリー解説も、火星のシナストリーだけで永続的な関係を示すものではないと説明しています。
学術研究を参照するときも、何を調べた研究かを区別する必要があります。Nature掲載のCarlson(1985)の公開抄録で示されているのは、出生図によって性格特性を正確に記述できるかを調べる研究です。二人の金星・火星の相性を直接検証した資料として、この抄録から相性の支持や否定の結論を導くことはできません。
相手の現在の好意や希望、身体的な接触への同意は、本人に確かめる必要があります。占いの「惹かれる」という表現で答えを代用せず、本人の言葉と実際の意思を受け止めてください。
