星座の相性がよいと出たら、二人はうまくいくのでしょうか。反対に、悪い結果が出たことだけを理由に、関係を諦める必要があるのでしょうか。

点数や順位が計算されていても、それだけで実際の恋愛を予測できるとはいえません。この記事で紹介する研究では、太陽星座で相性がよいとされた組み合わせが実際の婚姻に多い、離婚が少ないという一貫した証拠は得られませんでした。ただし、調べたのは過去のスウェーデンの婚姻です。

相性占いが本当に当たるのか、結果をどこまで受け止めればよいのかが気になる方へ、占いの点数と研究の違い、研究から分かる範囲、相手に確かめられることを順に説明します。

星座相性の点数と実際の関係

相性の点数を見るときは、何を数値にしたのかを確かめてみてください。占星術の考え方を使って点数を作ることと、その点数から実際の恋愛の結果を予測できるかを調べることは、別の作業です。

たとえば、次の資料は計算や集計の内容を公開しています。表は、それぞれの発行元の説明を整理したものです。

資料 数値にしたもの・集計したもの 説明から分かる範囲
天庵の相性ランキング 西洋占星術の要素を独自に数値化した相性指数 同サイトの方式による評価。発行元も実際の人間関係を断定しないと説明
天庵の統計データ 天体の位置や出生統計 天体や出生に関する集計。星座ごとの性格の読み方は、統計で決めたものではなく占星術の伝統と説明
KnowYourBaZiの相性表 1960〜2005年の台北の出生図をランダムに組み合わせた2,100組について、自社エンジンで二人の出生図の関係を計算 出生図どうしの計算結果。その組み合わせが実際に交際・結婚した結果を追跡した調査としては説明されていない

こうした数値から、そのまま二人が付き合える確率や相手の気持ちが分かるわけではありません。上の表は発行元の説明を比較したもので、掲載された点数を再計算したり、実際のカップルで予測が当たるかを試したりした結果ではありません。

占いの点数を作ることと、実際の関係を調べることを分けた図。

実際の婚姻や離婚と、星座の相性を比べた研究もあります。占いの計算とは、調べている対象がどう違うのでしょうか。

結婚と離婚を調べた相性研究

HelgertzとScottは、2020年に学術誌Genusで公表した研究論文で、太陽星座による相性の分類と、実際の婚姻・法的な離婚との関係を調べています。実際に観測された婚姻記録を使った研究です。

調べたのは結婚の組み合わせや離婚の起こりやすさで、恋人の本心ではありません。対象、結果、限界を順に見ていきましょう。

調査の対象とデータ

使われたのは、1968〜2001年のスウェーデンの縦断データです。縦断データとは、同じ人の情報を時間を追って記録したもの。研究では、本人と配偶者がいずれも北欧生まれで、本人の年齢が18〜70歳の異性間の婚姻を対象にしています。

観測された婚姻は約6万6,000組でした。そのうち離婚の分析は、婚姻の開始から観測できた約4万6,000組に絞っています。婚姻がどれだけ続いたかを扱うため、途中から記録された組を同じようには比較できないからです。婚姻全体の分析と離婚の分析では、対象の組数が異なります。

相性の分類に用いたのは、誕生日をもとにした二人それぞれの太陽星座です。生まれたときのさまざまな天体を含む出生図全体を、一組ずつ詳しく読んだものではありません。

結婚の組み合わせと離婚の結果

研究で確かめたのは、占星術上相性がよいとされる組み合わせが実際の婚姻に多いのか、そして、その組み合わせでは離婚のリスクが低いのかという点です。

著者らは、相性のよい組み合わせが実際の婚姻に多いことも、離婚のリスクが低いことも、一貫した証拠は得られなかったと報告しています。

「一貫した証拠がない」は、個々の分析ですべて同じ結果が出た、あるいは差が一切なかったという意味ではありません。著者らが示したのは、研究全体として相性のよい組み合わせが有利だといえる結果は得られなかった、という結論です。

研究の対象と限界

この結果は、調べた地域・時期・方法の範囲で受け取る必要があります。過去のスウェーデンの、北欧生まれの人どうしの異性婚を対象としているため、現在の日本の交際や同性の関係について、直接同じ結果が確かめられたとはいえません。一人ひとりの関係の行く末も、この研究からは分かりません。

著者らは、相性の分類が太陽星座だけに基づき、出生図全体の詳しい読解ではないことも限界として挙げています。ただ、詳しい出生図を調べていないことは、「詳しく占えば当たる」という証拠にもなりません。扱う天体や入力情報が増えることと、現実の恋愛の結果を予測できることは、別に確かめる必要があります。

The Planetary Societyの解説も、占星術には科学的根拠がないと説明しています。占星術の中で計算や解釈が詳しく示されていても、それだけで科学的な予測として認められたことにはなりません。

当たると感じた内容の整理

占いの説明を読んで、自分たちに当てはまると感じた。その実感まで否定する必要はありません。ただ、「どの出来事と一致したのか」と「これから何が起きると予測しているのか」を分けると、受け取り方を整理できます。

編集部が作った架空の例で考えてみましょう。「会話を楽しむ二人」という説明を読んで、先日、趣味の話で盛り上がった場面を思い出したとします。この場合、説明と照らし合わせられるのは、そのときに交わした会話です。そこから「これからも必ず気持ちが通じる」「相手も交際を望んでいる」とまで判断することはできません。

実際に交わした会話と、まだ確かめていない今後の気持ちを分ける図。

当たったと思った箇所があれば、その説明と、思い出した具体的な場面を短く書いてみてください。自分が楽しかったことは自分の感想として残し、相手も楽しかったか、次も話したいかは、まだ聞いていなければ未確認のままにしておきます。

占い結果と相手への確認

相性が悪いと出て不安なときも、その結果から相手の気持ちを決めつけず、今、何が気になっているのかを一つに絞ってみてください。連絡の間隔なのか、次に会う予定なのか。確かめたいことが具体的になれば、自分の希望と一緒に尋ねられます。

尋ね方の例なら、「また会いたいと思っているんだけど、次の予定を相談してもいい?」。自分の気持ちを伝えたら、相手も同じ気持ちだと想定せずに返事を待ちます。返事が希望どおりになるとは限りません。

相性がよいという結果も、相手の断りを覆す理由にはなりません。love is respectの解説では、境界線を、自分が心地よく感じることや、他人からどう扱われたいかを定めるものとし、恋人に限らずあらゆる関係に適用すると説明しています。

相手が今は話したくない、一緒に占いを見たくないと伝えたなら、その希望を尊重しましょう。よい結果でも悪い結果でも、二人が受け入れられる関わり方を考える際には、本人の返事を手がかりにできます。

根拠が気になって調べ直すときは、その資料が何を計算し、どんな現実の結果と比べたのかを確かめてください。占いの点数や研究結果だけで関係の行く末を決めず、自分の希望と相手の意思を照らし合わせて考えていきましょう。